廻ル恋は蓮華の如く 二ノ巻 憶えている彼

廻ル恋は蓮華の如く 二ノ巻 憶えている彼

レーベル:milkychain
CV:髭内悪太
シナリオ:真野ゆかり
イラスト:小豆
2018年5月30日発売

公式サイト オフィシャル通販 アニメイト

登場キャラ:
堂路鳴/山藤

 

前世で実らなかった恋を輪廻転生でやり直すシリーズ第2弾。前回は二人とも前世を憶えているお話でしたが、今回は男性側が憶えていて、ヒロインは忘れてしまった設定です。ちなみに第3弾は男性側が忘れてヒロインが憶えている設定のようですが、う~~ん。設定見るだけでも無性に切ないっすね。自分が忘れてるのも相手が忘れてるのも。いや自分が忘れてる方がつらいかなあ。みなさんだったら自分と相手、どちらが忘れてる方がよりつらいと思いますか?

登場キャラ・31歳サラリーマン堂路さんの前世は “鬼”。鬼といっても人に悪さをする異界の怨霊ではなく、普通の人間より体格が大きく身体能力の高い種族を表した名称のようです。あと動物と会話ができる。時代は鎌倉ぐらいかな~?と想像します。堂路さん、堂路は童子から来てるのはわかるけど「鳴」の由来はなんだろう?(どうでもいい?)

1巻同様、前世と現世の両シーンが交互に進む構成です。前世篇は鬼の山藤さんと武家の娘であるヒロインが異種族間で秘密の関係を結ぶも、のちにヒロインの裏切りを知った山藤さんが彼女に別れを告げて去る場面までが描かれています。この山藤さん、第一声からとてもワイルド&男前な低音で、現世とのギャップに驚かされました。しかし荒々しく強引な俺様系というのとはちょっと違って、鬼の頭領らしくゆったり悠然と構えてるような。セリフのペースもゆっくりで、一言一言間を空けて噛んで含めるような喋り方です。

人里離れた山奥にある鬼の住処にヒロインが単身で忍んできては、一夜を共にすることを繰り返していた二人。トラック4の回想シーンはその夜の一コマなのですが、一見言葉責めっぽいことを言いつつも、まだ行為に慣れてない彼女に要所要所で気づかいながらコトを進める山藤さんであります。ヒロインは気の強そうな女性で(なんだか前回の中宮ヒロインとイメージが重なる)、彼の発言に最初ちょっぴり反発しつつ、与えられる快楽には安心して身を委ね夢中になってる様子。

床での二人の会話から、どうやらヒロインの住む村は天候不順による不作で食糧難に陥っている模様。その原因が鬼の呪いにあると考えた人間たちが鬼を討伐する計画を立てている―――。ヒロインからそんな情報を得た山藤さんは、彼女との将来も考え、人間と和解する道を探ろうとします。たしかに鬼である彼らは人間よりも力は強いけど、だからといって人間に危害を加えるつもりはないし、諍いも望んでない。少数派の彼らはうまいこと人間と住み分けしてなるべく関わりを持たぬようひっそり暮らしてきたのではないかと想像します。ヒロインのように鬼をおそれず偏見も持たずに接触してくる者は珍しく、だからこそ山藤さんも彼女に惹かれ、恋仲になり、嫁にもらいたいとまで思うに至ったのかな、と…。

ところがある日、ヒロインが逢瀬のため山藤さんの元を訪ねてきたところで、村の人間たちもまた彼女の後をつけ鬼の住処に侵入してきたことが判明します。矢を射られ足に傷を負いながらも、ヒロインを連れ辛うじて逃げる山藤さん。その後、ヒロインが自分を裏切って例の討伐隊を鬼の領域へ手引きしたと気づいた彼は、恨みの言葉を残して彼女の元から走り去ってしまいます。

正直に言ってしまいますと、一度目に聴いたときこの前世篇の展開がイマイチ理解できなくて、実は数回聴き返した今もまだピンと来てない部分があります。いやまあ単に私の頭が弱いってことなんですけども(恥)、えーっと、ヒロインは最初から鬼を裏切る予定で、村の人々に命じられて山藤さんと関係を持ったのでしょうか。そして彼と接触するうち深い情がわき、人間サイドと鬼サイドの間で板挟みになり、拒否権もないまま最後は泣く泣く討伐隊を鬼の元へ導いて…という感じかなあ?? あとのセリフを聴くと、このときヒロインがわざと集落(中心部)に案内しなかったおかげで、鬼たちに大きな被害が及ばずに済んだようです。

最後の場面は、鬼と通じたせいで牢につながれたヒロインと、彼女を助けにやって来た山藤さんのやりとり。ヒロインが身内であるはずの村人たちに処罰されたのは、討伐が失敗したことへの見せしめなのでしょうか…? そんなヒロインに自分と一緒に逃げるよう説得し「二人で一緒に生きよう」と真摯に伝える山藤さんですが、彼女はその手を取ることを拒み、そのまま時間切れに。それが二人が生きて言葉を交わした最後の瞬間になりました。

トラック1のプロローグで山藤さんが「次の生で己の過ちを知った」と語っていて、この「過ち」についての説明を最後の最後まで待っていたのですが、特に何も明かされずに終わったのが少しモヤモヤしました。あと、結局あそこで彼の手を取らなかったヒロインの真意はなんだったのでしょう。自分の本意じゃなかったとはいえ、結果的に山藤さんを裏切る行動を取ってしまったことに罪の意識を感じていたのか。それともここで逃げたらますます鬼の立場が悪くなるだろうから、武家の娘らしく自分一人の犠牲で潔く事態を収めようとしたのでしょうか。うーん、もうちょい詳しい説明がほしかったなあ~。まあ単に私がシナリオの妙を読み取れてないだけかもしれませんけどね。

 

 

一方、今生を生きる堂路さんについて。前世の鬼のワイルドさと異なり、この堂路さんはとても穏やかで柔らかい雰囲気の持ち主です。いかにも人がよさそうな、でもちょっと押しに弱そうな。過去5回の転生ではヒロインの魂を持った女性との再会は叶わなかったそうで… ってこの時点でもうかなり辛酸なめ太郎な感じですが、6度目の生(現世)でも、道端でヒロインに似た女性を見かけてハッとしてはしょんぼり肩を落とす日々を送ってきたようです。31年ものあいだ。こ、これはつらい。。いつ会えるかもわからない、この世に存在してるかどうかすらわからない誰かを恋い焦がれて生きるなんて…(そこまでの業を生み出した山藤さんの「過ち」の内容がいっそう気になるところです)

そんな彼がある日、満員電車で通勤中に偶然ヒロインに遭遇します。第1巻と同じくやっぱりオーラ的なもので一目見たらその人とわかるらしいですね。ぎゅうぎゅう詰めの揺れる車内で体勢を崩し、たぶんヒロインが堂路さんにすっぽり収まる形になったんじゃないかと妄想しますが、ずっと探していた女性が突然そんな至近距離に現れたというわけで、驚きつつも「前にもお会いしたことがありますよね?」と期待をこめて尋ねる堂路さん。しかしヒロインは彼を見ても何も憶えていない様子で、そのままどうすることもできず、一つ前の駅で降りる彼女に出口を譲るほかなかったのでした。この落胆、絶望感たるやいかに…!

ところがその日、カフェで注文をしていたら目の前でレジを打つ店員がなんと今朝会ったばかりのヒロイン。偶然に偶然が重なり動揺を隠せない堂路さんですが、そのまま彼女と二言三言当たり障りのない言葉を交わします。ここで判明したのは、ヒロインは社会人ではなく学生ということ。…これ、個人的に今作一番のびっくりポイントでした。あとどーでもいいけどこの場面の堂路さん、ずいぶん大人数のコーヒー注文してるなあ…(ほんとにどーでもいい)

さらに後日、またしても朝の電車で再会した二人。しかも今度はヒロインの方から彼に「探してた」と声をかけてきます。満員電車から押し出されるようにしてヒロインの降車駅のホームに降りてしまった堂路さんは、流れで彼女と会話を続けることになります。ほのかな期待を込めて記憶の有無を再確認してみますが、ヒロインは特に彼を思い出したわけでもないようで、どうやら前に会ったことがあるかと訊かれた件が純粋に気になり話しかけてきたようです。そんな彼女に「昔の知り合いに似ていたんだけど僕の勘違いでした」と紳士な態度で伝える堂路さん。

それから約1か月。カフェでヒロインとたびたび顔を合わせていた彼は、ある晩もうすぐシフト上がりだというヒロインに思い切って一緒に帰らないかと誘います。OKをもらっての帰り道。ここのおずおずした、遠慮がちな堂路さんの発言に聴いてるこちらもなんとも言えないもどかしさ、切なさを覚えるのですが……。要は、ヒロインはここ1か月電車やカフェで堂路さんに会うたび嬉しそうな(恋してます的な)素振りを見せていて、彼としてはヒロインのそんな様子を見るのが心苦しかったようで。偶然とはいえあんな出会い方をして自分が思わせぶりな言葉をかけたばっかりに、年若い彼女にむやみに好奇心や期待を抱かせてしまったのでは…と。今夜ヒロインを誘ったのも、その気持ちを確認してストップをかけたい意図があったから。

せっかく廻り逢えたにもかかわらず堂路さんが身を引くような態度をとるのは、何より「憶えていない君の人生に、憶えているままの僕は関わらない方がいい」という痛切な気持ちから来るものでした。そりゃあ何百年も探し求めていた相手なので、堂路さんだって想いを伝えたくてたまらないでしょう。でもおそらく彼は、『記憶があること』を盾に彼女の人生に立ち入ることに畏れに近いものを感じていたのではないかと思います。自分の恋心の重さと、彼女のまっさらで純粋な気持ちを比較したら、なるほどたしかに一歩踏み出すのを躊躇するのも頷けます。

それと、10歳ほどある年の差も堂路さんにとってはかなりの気兼ねポイントだったようです。年齢の違いによる懸念をヒロインに説き含めるシーンで、堂路さんが「君にはわからなくても、僕には…俺にはわかるんだ」と独り言のように言うのですが、この “俺(鬼)” としてのやるせないつぶやきを聴いたとき、なんとなく前世での『異種族間』という障害が現世では『年の差』として顕れてるのかな…という気がしました。

最初なぜ『ヒロインが憶えていない』だけでなく『年の差』の設定までつけたのか、なぜわざわざ二重のハンデにしたのかと疑問を覚えたのですが――というか今も若干そこが引っかかっていて、この設定のせいで輪廻転生や記憶の有無より年の差問題がメインの作品になってしまっていた気がするのですが――、でもそれこそ前世と現世の障害が共通であることの間接的な表現なのかもしれませんね。そう考えると堂路さんの輪廻っていろいろ悩み多くて大変だなあ、業が深いんだなあと思ったり思わなかったり。まあもちゃもちゃ考えても所詮すべて推測の域を出ませんが。。

話を戻して、関係を進めることを躊躇してアレコレ説得してみても、それでも引き下がらないヒロインの様子を見て、それなら恋人“候補”として一定期間お付き合いしてみないかと提案する堂路さん。で、しばらく時間が飛びまして、その提案以来お試しデートを繰り返してきた二人は何度目かのデートで遊園地にやって来ます。共に過ごす時間を重ねるうちすっかり仲良くなった両者ですが、まだ堂路さんのほうにためらいがあるらしく、遊園地でたまたま職場の知り合いに出くわした彼は咄嗟にヒロインのことを姪だなどと説明してしまったり…。

いまだ自分がヒロインの相手にふさわしくないと思い込んで身を引こうとする彼に対し、それでも辛抱強く一緒にいたいと訴えるヒロイン。めげない彼女の言葉を聞いて、とうとう堂路さんも抑えていた想いを解放し、その気持ちを受け入れる時が来ます。ここのシーン、「僕の負けだ」あたりの複雑な感情がこもったセリフ回しがいいですね。

この大学生ヒロインちゃんは結構グイグイ来る子みたいですが、記憶がなくてもなんとなく堂路さんに運命を感じて惚れてしまったのか、いや記憶がないからこそ本能的に惹かれるがまま突進して、ついに彼の硬いガードを解いてしまったという感じでしょうか??(なんか今回の感想全体的に推測文が多くなってますが、つまり第1巻と比べて解釈が難しい作品だったということで)

で、その夜。ここまで来て「恋人になったけど今日はやめておこう」と遠慮しかける堂路さんに、ヒロインの方から誘って開始(積極的!)。最中の堂路さん、平常よりもさらに優しい声です。とにかく優しくソフトで紳士的な口調。なのにすることは結構いやらしいという。。ヒロインの指を舐めてその指で彼女の胸をいじらせたりとか。うわお、初っ端からそゆことするのー??と驚きました。セリフも態度もあくまで柔らかいのですが、なかなかにいやらしいおにーさんっぷりを発揮されていて、なんともドギマギしましたねぇ…!!

実はね、僕の中には鬼がいるんだ」からのセリフもよかったです。たしかに記憶を抱えてはいるけれど鬼の山藤と堂路さんは別人。「鬼がいる」といっても、堂路さんは明らかに過去の鬼とは異なる存在として今を生きています。憶えていないヒロインは彼の過去など知るよしもないから、鬼の記憶は今度も堂路さんの奥底でひっそり誰にも知られぬまま生きてくんだろうなあ、と。ふだん穏やかな彼の中に、誰も知らない、ヒロインすら知れない「鬼」が潜んでいる。そう思うとしみじみ切なくなりました。

うう~、個人的にはやっぱりヒロインにも憶えていてほしかったなと思います。こんなこと言っても仕方ないですが、彼だけが憶えていて、ヒロインにはどうしても触れられない過去の記憶の領域があるってのが想像するだけでも切ないんですよねえええ……! 堂路さんにとって本当に救いになってるんだろうか。。(意味不明なこと言ってたらすみません) いやもちろんこの二人は今後恋人として十分幸せになれると思いますけど。堂路さん、基本彼女を「ベッタベタに甘やかす」タイプだそうですから! このセリフ彼が言うとものすごい説得力がありました(笑)   ようやくつかんだ再会ですので、どうか末永くお幸せに…!

 

# というわけで、本日は以上です。その解釈はまちがっとる!などご指摘あればいつでもお待ちしてます。また、前回拍手ポチポチ押してくださった方はありがとうございました。いつも更新の励みになってます(^^♪

 

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  1. あめ より:

    ●拍手返信
    >べりさん
    こんにちはー♪ 記事読んでくださりありがとうございます! 嬉しいです(*>▽< *)

    べりさんもるぽ3聴かれましたかっ。河村さんの熱演すごかったですよね。スタンディングオベーション! まさにです、ナイス表現^^!
    そうなんです、アイコン変えてみました~。すっかりソネイズム?みたいです。。
    個人的には実はあのシーンもちょっと喜んじゃったんですけど(爆) あ、単にピアスが好きというだけで場所はびっくりしましたけどね!!!!
    変なテンションの記事を読ませてしまい大変失礼しました…m(__)m

    おおおっ(*’Д’*) 廻ル恋1、記事読んで購入されたんですか!? あああ、なんてありがたい、ありがたい、ありがとうございます…!!! すごくきれいにまとまったお話でしたよね。私も泣きました。。特典聴いても泣きます(笑)
    堂路さん編も設定が設定だけに切なかったです。ヒロインと関係を進めるのをためらう姿をはじめ、髭内さんの心のこもった演技が一番の見どころではないかと。インタビューも熱い気持ちが感じられて好きです(#^^#) 鬼の山藤さんはまた別のタイプで、髭内さんらしい色っぽい雄の低音を堪能できると思います!

    錫伊さんのボイサン!ついに声ありで登場したことにまず感動ですが、も、もう酔っぱらってるーー! 結構べろんべろんーー(*”▽”) あとめちゃくちゃ服引っ張られてますねうふふ。
    そして2の方は、その、(曽根井さんから伝授された)攻めを披露した結果錫伊さんに仕返しされてる状況なんでしょうか…??
    うわあうわあ/// この二人どうなっちゃうんでしょうか。最終的にどんなオチをつけるのかも気になるところ…! 発売楽しみすぎますね。

    次から次へと聴きたい作品が現れますよね。そうそう、GOLDさんの新作もまた河村さんですもんね! 問答無用にお金が減ってきます。札束こいこいです(。-_-。)

    メッセージありがとうございました♪ べりさんも体調崩さぬようお気をつけて、楽しいシチュCDライフをお過ごしくださいね!

  2. あめ より:

    ●拍手返信
    >こばさん
    こんにちは!メッセージありがとうございます(*´▽`*)

    そうですね、帯のセリフにすべて集約…。現世の堂路さんがとても真摯で紳士で思慮深くて慎重派で、なかなか一歩を踏み出せない様子がなんとも切なかったですねえぇ。。
    妄想ストーリー^^! いいと思います! というか妄想するしかないですよね。。今回の私の感想も妄想が多いですが、いろいろ解釈間違ってそうで不安です(・∀・;)
    「過ち」って結局なんだったんでしょうね~~。なぜあえて説明しないシナリオにしたんでしょうね~~(もんもん)

    あ、「甘いイジワル」!!! まさにそのとおりですー!!!(そう表現すればよかったんだ…) 甘いけどちょっとイジワルで、どこか物悲しい堂路さんの雰囲気がすごく印象的でしたね。二つの役それぞれのセリフに感情がぎっしり込められていて、髭内さんの表現力素敵でした…///

    ヒロインもいいですよね。1巻も2巻も躊躇する彼の背中を押すのがヒロインの行動っていう。ちゃんと存在感があって私も好きだなと思います(*^^*) そんなヒロインにあわあわする彼らにニヤニヤ…★

    あ! 先日ようやく『二輪草』を聴きました!! おおおこういう話だったとは、びっくり! ストーリーがドラマっぽくて最初から最後まで面白かったです。KZさんいい作品作るなあ(何様)
    八幡さんもかっこよくて…!! どこか影のある大人の色気がさいこうです/// 渋い、クール、けど情が深い。。ハマリ役でしたね~~。ヒロインにもちゃんと意思があって、二人が関係を持つまでの流れも自然で納得でした。そういやこれも年の差設定でしたね。

    購入してよかったです、また聴きなおしたいと思います。無茶振りにもかかわらず教えてくださって、本当にありがとうございましたー!m(__)m

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