映画みたいな夢

◆鍵のない秘密 3 −終わりなき声のエピソード−

レーベル: ダブリルムーン
CV: テトラポット登
シナリオ: 大麦ひかる
イラスト: えまる・じょん
2017年9月22日発売

登場キャラ:
苗子比類王(なえこ・ひるの)

30歳。大手広告代理店 企画営業部勤務

 

まずはシリーズ完結おめでとうございます! 待ってました苗子さん!

感想…なんですけど。

書くのが難しいですねえ。いや素晴らしかったですが、もうダブリルさんに関してはひたすらDon’t think. Feel!って姿勢で聴いてるので、言葉でよかった点を説明するのがむずかしーのです。単純に、なんとなーく思ったことの羅列にしかならないんですよね~。すみません。作品自体には何一つ悪いところはありません。私の語彙力が壊滅的に足りないだけです。

それでも、せっかく楽しみにしていた作品を聴いたわけだし、少しだけ書いてみます。。

うーん、そうだなあ……

映画っぽいなと感じました。すっごく映画見てるみたいでした。1、2巻よりも3巻の方が映画感がハンパなかったです。制作側もいろんな映画を意識して作られたんでしょうけど。ジャケもフィルム風だし、トラックリスト・本編中のセリフ・各巻のオマージュなどからわかりますよね。。行為シーンよりもそういう仕掛けの部分に注目してしまったかも。えろは特典の方でお楽しみください!って感じでした。

二人が恋人関係になっていく場面はほとんどカットされてて(トラック4→5で5か月近く飛んでる)、それ以前のお仕事中の場面が多くを占めていましたね。プレゼンとか炎上鎮火とか。もう、セリフそのものの内容ではなく、それ以外から感情の機微を読み取ってください感が満載でした。セリフありきのシチュCDなのに(笑)そこがすごく映画っぽいっていうか…。うう、説明が難しい。でもいい意味で言ってるんですよ。

3巻のヒロインさんは婚約者をヘリ墜落事故で亡くしていて、悲しみのどん底のはずなのに、それをそのまま「悲しい」って表現しないのが…… 逆にこたえます。だって直接的にはほとんど何も言及されてませんからね。緑ヶ島リゾート計画が再開されて、広告マンの苗子さんと(見えない壁はあるんだけど)ほぼこれまでどおり普通に仕事を続けていて。苗子さん、ヒロインのことがとても好きなんだけど、事故のこともあってそう簡単に踏み込めるわけもなく。

そういう中で、酔いつぶれた苗子さんを二度も部屋に上げてしまうヒロイン。この、自分でもよくわからないけど、考えより感情の方が先に動いている感じ。そして二度目の夜に、苗子さんがヒロインにそっと触れていくシーン。「俺のこと、部屋に上げてくれるのはどうして?」から「今は夢を見てることにしよう」に続く一連のセリフ……

あああもうこの微妙な感じどう説明すればいいのかな! めちゃくちゃ見事なんですよっ! 魅せられました。

こういうテーマで全然湿っぽくならないのがすごいです。テクニックですね。邦画じゃなくてフランス映画みたいかも。(こういうとき映画の引き出しが少ないのが悲しい…) 湿っぽくならないっていうのは2巻の無人島生活もそうでしたけど。とにかく明るいノリのセリフ回し。たくさん笑ってしまいました。部長(2巻のヒロインで苗子さんの学生時代の友人)との絡みがちょくちょく出てきましたが、そこだけ口調がぞんざいになるところ。あと、ヒロインの傍で「やっちまった…」と頭を抱えたり「よっし!」とガッツポーズしたり、一喜一憂する様。

もう… テトラポットさん、いろいろうますぎるんですよーーー!
言い回しがリアルすぎ。めちゃくちゃ巧みです。あの安定感にずっと浸っていたいです。

大切な人を亡くしたヒロイン見るのはつらすぎると思ってたので、この明るさは救いでした。ただ、最後の最後、苗子さんがヒロインに例の指輪をはめるシーンはうるっときました。シチュCDで泣いたことってないのに、これは………。まだ傷は癒えていないけど、ヒロインの中の深城さんの存在ごとそのまま包み込むような苗子さんのセリフ。しかもあの場面でアメイジンググレイスって、、、ずるいよーー(TT)

 

…あ、せっかくなので1巻についても触れておきます。

1巻であんなにカメラカメラって言ってたのに気づかなかった私が馬鹿でした。そうだよね!撮ってたんだよね! だからラストのあの行動に至ったんだね。たまたまカメラを見返して、映ってることに気づいて、いてもたってもいられなかったんだよね…。

も~~、菅佐先生が突然捨てられてしまったのかと思って地味にショックを受けてたんですけど。(カサブランカ=好きな女性のために身を引く・逃がすエンドだし)でもちがった。よかった。3巻のエンディングで佐和さんのお声を聴けて、妙にじーんと来ました。すぐ合流したようでほんとよかったよ…! 鬼因夫婦は幸せなのに菅佐先生だけ一人ぼっちだったらどうしようかと思った。

菅佐さんのあの独特な大学講師像、もう佐和さん以外考えられない!ってくらい佐和さんの演技がハマってました。ユニークすぎる。すごい。これ聴いてから佐和さんを佐和センセーと呼んじゃうくらいだもん。私だけか。まどろっこしくてクセのある口調とか、ヒロインとは穏やかな関係を望んでいるかと思いきや初手からわりとマニアックっつーかフェティシズム発揮っつーかほんのり独占欲滲み出るところとかがたまらんかったです。

それと、ダブリルさんのヒロインってわりと「されるがまま」専科というか、積極的なタイプではなかったと思うので(※もちろん後で反転するワイルドカードっぽい存在になってるケースもあるけど、それはそれとして)今回の大学生ヒロインと部長さんは新鮮でした。スイプリvol.23に1巻の脚本前半が載ってましたが、想像以上に男女の駆け引き感が溢れててびっくりです。最初に関係を結ぶに至るまでの心理戦がめちゃくちゃ面白い。特にヒロインの心の声……。この子、菅佐さんを困らせて楽しんでるぞ!

もうダブリルさんはヒロインのセリフ入りの全シナリオをブックレットにして販売すればいいよ!私なら買うよ!(絶対出ないよな~~)

それはさておき。全体のまとめ的なことを言いますと。

1-3巻、どれもなかなかない珍しい設定でしたね。ある意味、この関係でドラマが生まれないわけないっていうか。どの巻も意外性があって、しかもちゃんと全体のつながりもあるので引き込まれました。聴いたことない専門用語にあふれてて(特に2巻)ちょっと戸惑いもしましたが、ストーリーはドラマチックで映画風で独特で面白い。まあ凝った設定に気を取られてえろさにあまり集中できなかった気がするのは……たぶん私だけですね。。 ※そんなダブリルさんが大好きです!

だから考えるより感じろ!を肝に銘じてまた聴き直します。