ファム・ファタール1

◆ファム・ファタール -Vol.1 覚醒-

レーベル:Tunaboni Collections
シナリオ:天王州藍
イラスト:夜咲こん
2017年1月発売

登場キャラ:
加持透(CV:土門熱)
ヒロアキ・J・澤田(CV:宝殿亭ガツ芯)

 

2017のオススメ教えてくださいいい!!という先日の無茶振りに親切に答えてくださった方、本当にありがとうございます。

ファム・ファタールvol.1(の特典)がいいよと教えていただいたのですが、実はちょうど最近購入したところで、まだ聴く前でしたが特典ともども手元にあったのです。ナイス自分! いや遅いだろ。ですよね~。今更ですよね~。常にだいたい周回遅れブログでございます。。

最初、三角関係っぽいし複数らしいし、シリアスな作品かと身構えていたのですが、予想外にユーモラスでした。そう受け取っていいんですよね?? 喜劇というほどではないけど、妙にサバサバした明るい雰囲気。そこがすごくよかったです。

というわけで以下感想。ネタバレ含みます。

 

 

「私はつくづくさえない女の子だ」とイントロ文にもあるとおり、自分に自信がない大学生ヒロイン。密かに想いを寄せている同級生の加持君にも積極的になれません。そんな彼女を見て、ふだん仕事を手伝っている心理学の澤田教授が提案した「実験」。

君を魔性の女、ファム・ファタールに仕立てたい—

提案を承諾したその夜、教授のマンションで「実験」が始まります。

最初から「情熱的」で「素質がある」と評されていたヒロイン。初めて男に抱かれてちゃんと達することができたのには教授も思わず感嘆。(教授が上手いとか相性がいいとか、そういうのもありそうですけど)

見込み以上に素質があると考えた教授は、これからヒロインの外見を徹底的に磨き、最高級のサービスを受けさせると告げます。しばらくのあいだ自分のマンションで一緒に暮らすように、とも。

人からかしずかれることに慣れてほしい。私がそれを毎日実行する

つまり文字どおり教授自らの手でヒロインをお世話します宣言なのです。このあと実際ヒロインの足の爪を磨くシーンなど出てきたり。この女性の扱い方、かしずき方。エスコート感。日本人にはできないよな~~と思うような徹底ぶり。さすがフランス男! ※教授はハーフの設定

見た目を変えればメンタルも変わる。自分がパトロンになるから、美しくなって男たちに相応の扱いを受けなさい。そういう教えなわけですね。そういや映画『マイ・フェア・レディ』(言語学の教授が田舎娘を一流のレディに仕立てる話)にも、「レディと花売り娘の違いはどう振る舞うかではなくどう扱われるかだ」ってセリフがありますが。

これまた一種の人形愛っぽいお話ですね。教授が自分好みの「作品」を作っていくんですから。とはいえファム・ファタール(魔性の女)化計画なので、ただ相手任せの人形になるのでなく、自ら主導権を握って行動しろというレクチャーでもあって。ヒロインにアフターピルを渡すシーンなどからもそれが窺えます。

そうしてヒロインは澤田教授や彼を通して知り合った男たちと関係をもっていきます。

個人的にはこういうちょっと…いやだいぶ自由奔放なヒロイン像、大好きです。一人の本命のためなら他の男たちの間を渡り歩くのも厭わないタイプ。愛されるのを待つのでなくガツガツ愛しに行く。捨て身で飛び込んでいって、最終的に欲しいものを勝ち取るキャラ。(ダブリルさんの初期ヒロインもそうかも)

まあこのヒロインの場合教授の「作品」なので、どこまで自分の意志なのか測りかねる部分もありますが。

 

そんなこんなで教授直伝でアレコレ仕込まれた結果、見違えるほど綺麗になったヒロインちゃん。次のトラックでさっそく片思い相手の加持君を襲いにかかります(!)

加持君は気さくで明るい性格の、いかにも健全な男子学生キャラ。美女に視線で誘われ、構内でいきなり襲われてしどろもどろ。されるがままになって、コトが済むと即放り出されて呆然。

しかし思惑どおりヒロインに夢中になった彼は、後日ちゃっかりお付き合いの提案。もちろん承諾したヒロインは、トドメとばかりにその場で相手を誘惑&陥落。

…私、この辺のシーン笑ってしまいました。すごい。色仕掛け。自由すぎる。加持君も煩悩がダダモレだよ。生唾飲んでるよ。欲望に忠実だよ。大興奮だよ。へへじゃないよ。それにしても土門さんのこのフツ~の学生演技サイコー! 翻弄されて泡を食ったり、一瞬で有頂天になったり。すごく自然かつコミカルです。

そんなわけで見事目的を達成したヒロイン。加持君のことを報告すると、教授はこう言います。

女を自分のものにすると、たいていの男は気を抜いてしまう
他の男の影をちらつかせた方がね、よりいっそう君に夢中になるよ

つまり更なる背徳のススメです。(悪魔のささやき…!)

今の関係を解消する必要はない、心がなければ何の問題もないじゃないか。そうヒロインをそそのかして、魔性の女を恋人にもった男の葛藤を見てみたい、と笑いかけるのです。

 

終盤にかけては、すっかりヒロインに惚れこみ嫉妬深くなった加持君と、暴走しかけた彼を止めに来た澤田教授とのあいだ一悶着…という展開。

いや、一悶着とは言わないですね、これ。

あくまで私個人の感想なので的外れだったらすみませんが…

この作品、先に書いたとおり三角関係で複数シーンも入ってくるのに、鬱っぽい要素が全然ないんですよね。嫉妬しすぎてヤンデレ化とか、痴情のもつれ(笑)とか、バドエンになる材料はいくらでも揃ってるのに。当人たちの真情は別として、雰囲気は明るく終わります。そこがいい意味で驚きでした。

実際教授が現れるまでの加持君の行動はヤンデレ監禁ルート直行な気配でした。服を裂いたり手錠持ち出したり。だけど教授が現れ、ヒロインの意志を確かめて、ごく当たり前のようにその場で始めるシーン。ここでもう教授に全部持っていかれた気がします。

これ澤田教授の物語だなあと思います。最後の場面、加持君も一生懸命対抗しますが、手のひらで転がされているように見えます。結局すべて教授のペース、教授の美学に則った展開なんですよね。

特に面白かったのが最終トラックの最後の2、3分。コトが済んでからの三人の会話。

加持:「もう、俺らは一体どうなっちゃうわけ? 澤田さん、あんたはこいつをどう思ってんだ?
教授:「馬鹿な質問だな。愛してるに決まってるだろう?

このあっけらかんとした言い方! あと「まあまあ。君たちを今さら引き裂く気はないよ。でも、私も恋人にしてほしいなあ。だって君から離れたくない」とケロッといたずらっぽく言っちゃうところなんて、もう。。 このくだりがあるとないとでは作品の印象も全然違っていた気がします。いくらでも湿っぽくなりそうなところをこんなふうにサバサバとユーモラスに締めちゃうなんて。さすがフランス男!(また)

 

 

しかし、う~~ん。。。こんなあらすじじゃこの作品の微妙なアヤがほとんど零れ落ちてしまうんですけどね。細かなニュアンスこそが面白いお話です。

たとえばトラック4【助言される】で教授がヒロインの足のお手入れをするシーン。吉原の遊女の比喩から「色事と生活感は対極にあるものだ」と言って赤いピンヒールを差し出します。ゆっくりとしか歩けない、実用的とはいいがたいピンヒール。フェチズム〜。なんとなく遊女の高下駄も連想しちゃいます。

若さあふれる等身大の学生キャラ加持君に対し、紳士という言葉がぴったりの澤田教授です。そういえば声を荒げるシーンが一度もなかった。終始落ち着いた柔らかい声色のまま、穏当でないことをそそのかすのがいいですね。どこか子供っぽい無邪気さもある気もします。

あとこの作品、ストーリーがちゃんとあるうえ、濡れ場もしっかりエロスなのが素晴らしかったです。

土門さんとガツ芯さん。それぞれのシーンもよいし、最後のも…。3Pモノというとなんとなくジメジメしたバッドエンドのイメージがあったのですが(主にゲームのせいかな)、表現が鬱にならなければこんなにいいとは目から鱗です。。

ガツ芯さんのお声は今回初めて聴きました。うん、たぶん…初めてかなあと思います。ガツさんはよく存じ上げてるんですけども。それにしてもほうでん亭一族とか先割れ一族とか最近じゃ二枚貝一族とか、まぎらわしいっすね。しかもなぜ口に出しにくい名ばかりなの^^;

ともかくガツ芯さんの澤田教授、ただ喋ってるだけで色っぽかったですねえ。知的なフェロモン。声と役柄が似合いすぎてキャラ立ち半端なかったです。濡れ場も最初のシーンから、もう、ねえ…!! 紳士然としながらやたらと色っぽいのはなぜ。

特に気に入ったのが終盤の場面での「加持君に見られたいね。見せようね」というセリフ。この言い方なんて、もう、もう! (どうしたもんか!!!)

 

 

本編は澤田教授の独壇場という印象を持ちましたが、ステラ特典の『夕顔とbooty(澤田編)』はまた少し雰囲気が違いました。最後にこれについて少しだけ。

この特典、本当によかったです! 正直これ聴いて完全に教授に心奪われましたね…。加持編を入手していないので、そちらも聴くとまた異なる感想を持つかもしれませんが。

本編アフターストーリーで、本編とはまた別の教授の顔が見られます。

教授との同居生活を止め元の生活に戻っていたらしいヒロイン。ある日単身で教授のマンションにやって来て、久しぶりに二人きりで…という流れ。

三人の関係は続いているようで、ヒロインの恋人が加地君なのも変わらない。この点が重要でして。

別の男の方を向いているヒロインに、教授がいわば「普通に」恋しているかのような、「普通に」執着するかのような姿を一瞬見せるのです。

今の関係が理想形のはずだったのに、気づけば自分もヒロインを追いかけている。感情をあらわにするわけではないけど、かすかに不貞腐れたような、嫉妬心くすぶらせているような。そんな複雑な態度です。

妙に自嘲的で、聴いてるこちらがドキッとする類の発言も出てきます。もしこの辺のセリフが本心の本心だったら、本編の印象もだいぶ変わりそうです。(いやつまりは本心なんですよね。そう考えると、わああ。。。) こんな言葉聞いたらヒロインはどうすればいいかわからなくなっちゃいます…!

いつもと違う熱のこもった愛し方。加持君がつけた痕に対抗するように、たくさんキスを落としたり。

まあ、らしくない己の言動に気づいて自制・封印するんですけども。自分の態度がヒロインを困らせていると悟った瞬間、スッと切り替えて「私らしく君を抱こう」と言うところ。それから事後の「夕顔は人に手折られるものだ。思い出したよ」ってセリフ…

そしてこの夜の場面から、翌朝うってかわって「booty」云々の明るいユーモアへ。これがなんとも言えずいいです。 甲斐甲斐しく手料理をタッパーに詰めて、いたずらっぽい口調でヒロインに手渡すシーンなんて、(語彙力なさすぎてすみませんが)うますぎます。シナリオライターさんすごい!

なんですかねこの絶妙な匙加減。楽しいけどどこか寂しいような。明るい悲しみ。

一つの情景を切り取ったといいますか。最後のシーンなんて、ことさら説明せず、間接的に魅せていく感じで。短編小説一つ読んだような面白さでした。

しかし、まったく完敗だ…。教授の不思議な魅力に完全に打ち負かされましたです…….

 

 

以上、お前の語彙力どこ行った感想文になってきたので、この辺りで終わりにします。昨夜アップするつもりが変な時間になっちゃったな。。(今日はお休みでした)

そんな作品じゃねーよ!わかってないな!等々のご意見ありましたいつでもなんでも受け付けまする…(´-ω-`)

ちなみにvol.2はこれから聴きたいと思ってます♪  vol.3はもう来月発売なのですね~! わお! あらすじ読んだら興味津々すぎて、早速予約しちゃいましたぞ。

 

前回や過去の記事にさかのぼって拍手ポチってくださった貴女様。ありがとうございます! いつも本当にありがたいやら申し訳ないやらです! また次回も、もし気が向きましたらお付き合いくださいねー☆彡

 

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ファム・ファタール1” に対して1件のコメントがあります。

  1. あめ より:

    ●拍手返信
    >アンジェラさん
    わああ!早速読んでくださったんですね!! 拍手&メッセージありがとうございますー!

    的外れかも…とドキドキしていたので、そう言っていただけてすごく安心しました〜!ガツ芯さん、おっしゃるとおり大人の色気でした(*´ω`*) なるほど!確かにフランス映画みたいです。朝の洒落たセリフなんて特に。特典だけどもはや続編というか、一つの作品にしてもいいくらいの濃さだなと思いました。

    印象に残る作品に出会えて嬉しかったです。教えていただき本当に感謝です!

    アンジェラさんは低めの声の紳士タイプがお好きなんですね(*^^*) おお、「私」推しですかー! 確かにそれ似合うキャラってかなり知的な大人のイメージですね。敬語だともっとよさそうですね。

    私も四ツ谷さんや深川緑さんは落とした声の方が好みですー! 今年はそんな作品もたくさん出るといいですね〜!

    あ、今月久々に深川緑さんのシチュCDが出ますね。お声が聞けると思うととても楽しみです!!

    …そ、そんなそんな。もったいなさすぎるお言葉です。私のブログなどまだまだです。。この作品/声優さんがいいなと思ってもまともに説明できず撃沈ばかりで…。

    なんと! いつも拍手送ってくださってたんですね! もう、それだけで十分ありがたいです!! やっぱり読んでくださる方がいると嬉しいですし、更新も頑張りたいと思えますー^^

    いろいろとご丁寧なメッセージ、本当にありがとうございました。
    今後も可能でしたらこんなふうにオススメなどお伺いできると嬉しいです! ぜひ参考にさせてください。
    気が向いたらまたぜひ遊びに来てくださいませ♪

  2. あめ より:

    ●拍手返信
    >こばさん
    こばさんこんにちはー(*>∀< *) メッセージありがとうございます!!

    おお、こばさんもこれ聞かれたんですねええ! ですよねー、教授に全部持ってかれましたねー。

    …たしかに! こばさんの言うとおり、知的なうえに少しSっ気もありますね教授!そうだそうだ!!
    あまりにもスマートなSっぷりなのでもう何されてもOKと思っちゃいます!(?) こんなキャラなかなかいない気がします。

    「アイのある生活」気になってました。情報めちゃくちゃありがたいです!マーガリンさんは聴いたのですが…。むしょ~にガツ芯さんの巻も聴きたくなってきましたようう(≧▽≦)
    他にももっと出演作が増えると嬉しいですよね~~!!

    そうでした、ツナボニさんはサイトにSS公開されてるんでしたね(なんて太っ腹!)早速読んできましたーー♪
    「破壊衝動」でもう笑えましたし、なんといっても100均! 100均かい!
    いいですね~ちょっと子供みたいに可愛らしい教授。というかみんな楽しそう(笑) こういう明るい三角関係はよいですね…。

    教えてくださってありがとうございました★ おかげ様でいっぱいニヤニヤしちゃいましたよ!
    そしてこんな周回遅れな記事も読んでくださって、改めて感謝ですー///

  3. あめ より:

    ●拍手返信
    >通りすがりさん
    こんにちは! メッセージどうもありがとうございます!! 記事お読みくださり感謝です^^

    そうですよね、本編の「結」が本当に見事な作品ですよね! ストーリーもいいしキャラ萌えもできるし、悪いところがないですね…。そしてやっぱり教授の魅力にひかれますよね~。

    おおお、特典3つとも聴いてらっしゃるとは!すごい!!
    私もそう思います、夕顔聴いて教授の単独CDもあったらいいのにな~と。続編希望です!

    いろいろと貴重な情報をありがとうございます。大変嬉しいです!!
    金魚のお話も気になりますが、特に公式特典がすごーく聴きたくなってきました…。シチュCDではなかなか見られないプレイのようですね~~! もう、あざとい教授めっちゃ見たいですっ(*‘ω‘ *) そのうちゲットしちゃうかもしれません!

    後日vol.2も聴きましたー! また全然異なる展開で面白かったですよね。おっしゃるとおりCVお二人素晴らしかったです。特にブラックさの滲み出る演技がうますぎる~と思いました^^(そしてこちらも公式特典気になってます…!)

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