カフネ2

◆文豪達のカフネ 第二巻 園原藤村

レーベル: Chouette(カナリアレコード)
CV: 佐和真中
シナリオ: 一色かなこ/アザミ白秋
イラスト: やすだしのぐ
2017年11月24日発売

登場キャラ:
園原藤村

 

超絶厄介な変態に捕まってしまった・・・

って感じですかね。ヒロインちゃん視点では。

しかし私はサンプルボイスの時点でノックアウトされておりました。やすださんの絵(お注射のやつ)もわなわなするくらい好きでこっそり待ち受けにしちゃってましたスミマセン。。

キャラ設定の「他人の痛みが分からず、共感性に乏しい」は本物でした。幼い頃交わした他愛ない結婚の約束を10年以上盲目的に信じてる・・・という時点ですでにヤバさ99%。当時自分のことを「お兄ちゃん」と無邪気に慕ってくれたヒロインを偶像化し、その枠から外れる今の彼女を絶対に認めようとせず、ちょっとでも失言すると狂気を振りかざす。ヒロインを理想の枠内に閉じ込め、文字どおり命を搾り取るようにして、最終的に自分の望みを成就(=理想の小説を完成)させる。そのエゴっぷりときたら微塵もためらいがなくて、純粋に狂ってる人と言えるでしょう。なんかマッドサイエンティストの匂いすらするぞ……

個人的にはよくぞここまでやってくれた!と拍手。綾織さんの話はわりと甘めな印象でしたが、第2弾でアクセル全開にしてきた印象です。思えば1巻も特典はまるっきり救いのない殺伐感でした。本編の甘い死の後になぜこんな苦しいif持ってきたのかと不思議に思ってましたが、2巻を聴いた後ではあれこそこのシリーズの本当の姿で、2巻への助走というかチラ見せの意味合いだったのかも~と考えるようになりました。※ちなみに1巻特典はなんといっても『地獄の一丁目と猫』の絶望感が群を抜いてます・・・。特にラスト数分の綾織さんの独り言。

前回は死が救いのような描き方だったのに、今回は死すら救いにならない展開です。ここまでヒロインに容赦ないってすごい。ほらぁやっぱ人間より悪魔の方がずっと優しいでしょ?(関係ない)

これほどヒロインに憎まれる男もあまりいないのでは。最期に指輪をつけていなかったことが最大の意志表示。このヒロイン、父親に売られた身だし、他に恋仲の男がいたのに叔父に監禁されたし、病気が悪化しても治療どころか別のおくすり漬けにされるし、最後は正気も失ったまま死んでいくし。何重苦だよ…

設定文によれば、ヒロインの幼少期、園原さんの態度にただならぬ気配を感じた兄(ヒロインの父)が二人を引き離した…という経緯があったそうです。園原さんはそれを相当根に持ってるのか、兄を蔑むような口ぶりでしたね。でも、今になってヒロインを園原さんの元に放り込んだのは他ならぬこの兄らしいんです。うーん・・・、、、本当にその理由なんでしょうか? ヒロインへの説明は果たして事実なんでしょうか。なんか少し嘘が含まれてる気もするんですけど。どうも園原さんの発言そっくりそのまま信用できないもんで。

園原先生は平静からすでに狂いの気配がにじみ出てるキャラクターです。常時自分の世界に入っちゃってて、ヒロインの言葉も自分の都合のいいようにしか解釈しません。幼い頃の約束を強制的に思い出させたり、首絞めながら「好き」と言わせて満足したり。いや思い出せないんじゃなくてもう忘れてるの! いくら記憶をほじくり返してもないの!!・・・ってつっこんでもしょーがないけど、とにかくヒロインと会話しててもなんか独り言の妄想でも言ってるかのようなヤバさです。終始低めで抑揚の少ない声。冷笑的な喋り方。笑ってるのに笑ってない感じがする。

行為シーンも無茶苦茶で痛々しかったですね。というか痛い。佐和さんのリップ音の効果も大きいです。特に最初の方は刺すようにきつい音で、聴いてるこっちも痛かった…。先生さすがだなあ。あれだけやったら収録後手が大変なことになってるんじゃないでしょうか。。でもあのおかげで容赦ない感じがものすごく表現されてたと思います。本当にプロの魂です。。

ヒロインに投与したおくすりも、よくある魔法の媚薬じゃないガチのやつ。「瞳孔開いてる」発言にぎょっとしました。アニメイト特典で正式名称が言及されてましたが…そう、アンゴやオダサクが好きなあれ。あと「咳」と言っていたのでヒロインちゃんの病気はやはり結核だったのかもしれません。

ラストの「間に合ってよかった」という呟きは、ヒロインの死と同時に作品を完成させられたことに対して、でしょうか。自分もすぐ後を追うのでその前に完成間に合ってよかった・・・的な。もともと病気だったとはいえヒロインの死期を早めたのは間違いないし、なんなら作品のために殺したとも言えるのに、ヒロインのいなくなった世界ではたぶん一日も生きていけないんだろうなあこの人は・・・。そう思います。あの指輪を見ながらの泣き笑いシーンで、そんなふうに強く思わされました。

トラック6【新生】に、ヒロインにお兄ちゃんと呼ばれながら「不思議だね、なんだかあの頃の君と交わっているような、そんな気持ちになるよ」、「これでやっと僕らの純愛が成就するよ」ってセリフがありました。おくすり使った理由はやはりそこだったか。ヒロインの精神壊してでも、昔の幻覚見せてでも、それが欲しかったのか………

この時の強烈に満ち足りた感覚と、ヒロインから聞きだした「死にゆく気分」などを流し込むことで、園原さんはようやく理想の小説を書き上げることができたんでしょうね。うーんすさまじい。あの狂気とヒロインの死は突き詰めるとすべて創作のためにあったのかと思うと、ヒドイとかムゴイというより、もはやすさまじいの一言っす。。

そういえば本編中、猫の鳴き声がしましたね。園原さんの飼い猫でしょうか。綾織さんの時にも猫が登場してました。

あ、今更ですが一色かなこさんて七原みささんなんですね。一色さんは2巻と3巻だけシナリオに加わってるようで。ってことはこのブラック度急上昇は一色さん要素なんでしょうか?(←執着eyeを思い出してる) 佐和さんも「カナリアレコードさん辛い!」っておっしゃってましたね。ああ~~~

 

 

最後に特典について少しだけ。

●ステラ特典『お遊戯』:お医者さんごっこ。しかし当然ながらイチャラブ系のキャッキャウフフではない。酔っぱらい設定って普通可愛くなるはずなんだけどなあ…変態度が増強してるだけ。しかしここに来て初めてまとも?に前戯してるの見ました。この作品唯一の甘エロと言えなくもないかも。ただし一般的な甘さでは全然ないですね。

●メイト特典『彼の人の心情』:お遊戯の時点よりヒロインの病状が相当進んでると思われます。お兄ちゃんが甘やかしてくれますよ~!(ただし一般的な意味ではなく(略)) 途中で園原さんご自身おくすりを注入するのですが、これがもういろんな意味ですごい演技。さ、さわさんんんん(◎д◎)  でも、ここで初めて心情を吐露するわけですね。朦朧としつつお兄ちゃんと呼んでくれるヒロインに「俺には奇跡みたいなことなんだよ」と呟くシーンがあって。。。本編含めて全体で一番気に入ってます。

 

 

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