人間牧場

お姉さんはね、今日からこの人間牧場で、従順な性奴隷として生まれ変わるんですよ。

サークル: 紅差し
CV: 栄人
2017年3月発売

※Girls Maniax専売(DL)

 

タイトルがすごい(笑)

今日は同人でとても気に入った作品があったので記事にしてみます。

このサークルさんが今月出された新作のCVが一夜愛さんで、興味があって聴いてみたら気に入ったので過去の作品(4作)も一気買いしました。全部それぞれよかった! お値段こんなに安くていいんですかってくらい作り込まれていて。

音声ファイルと一緒についてくる絵も、サイトに載ってる設定や小ネタも詳細で楽しい。個人的に本編に直接関わりのない裏設定が多ければ多いほど嬉しいタイプなので、見ていてなんだかもうニヤニヤが止まりません。濃く煮詰められた世界観が中毒になりそう。ああ~~この作者さんのイマジネーションの氾濫感すごいなああ!!

内容はほぼ闇か病み+ブラックユーモアって感じです。(王子様はまたちょっと別ですが)

で、個人的に一番好みだった『人間牧場』について。

ある日理不尽に拉致されたお姉さんが牧場主のお兄さんと愛を育むハートフルストーリー。
誘拐、人権皆無の世界観など不快感を煽るかもしれない描写がありますので耐性のない方はご注意ください。聴き手に痛い展開はありません。(販売サイトより)

この紹介文のとおりです。これに尽きるかも。もっと詳細なあらすじやサンプルボイスはガルマニにあります。

一言で言うとこの作品、ある日普通に生きていたら落とし穴に落っこちて、気づけばそこは世界の果てでした……。そんなお話です。(比喩です。) 詳細は省略します。。

タイトルや設定だけ見るとどんだけ胸糞なのと心配でしたが、予想の斜め上を行くいいお話でした。いいお話ってのも語弊があるかなあ。

世界観は初っ端から狂ってるんですけどね。突然拉致られたヒロインが外道非道の詰め合わせ的な環境下に放り込まれちゃうという、文字どおりの不条理。それなのに…なんて言えばいいのかな。客観的には酷いはずなのに、ヒロイン視点では酷くないんです。外観は恐ろしいけど中身は甘い。この奇妙にねじれた感じが独特で面白くて。

最初は身構えてたのに、聴いてるうちに「あれ?だんだんいい話になってる…?」と動揺してきて、終わったときには「ああこれが『ハートフルストーリー』か~」「ってか何だったの最後の高山さんは!!」「そーか喜劇なのか。喜劇なんだねこれ??」とツッコミ&笑ってる自分がいました。

そうやって笑えるのもひとえに登場キャラの高山さん(=闇牧場の社長)がめちゃくちゃ魅力的だから。そして、彼がヒロインを贔屓してくれたから。これがすべてなんです。

たまたまヒロインのことを気に入って、ヒロインもこの特殊状況下で高山さんを一途に、倒錯的に愛してしまった。結果、他の商品とは異なる特別扱いをしてもらえて偶然にも幸せになれましたとさ…。そんな世にも奇妙なお伽噺。それにしてもお姉さん(=ヒロイン)の聖の波動すげえ。

肝心のいやらしいシーンは拘束とか道具を使っての調教etc…なのに、高山さんの雰囲気のおかげか不思議と無理やり感がありません。むしろこの調教はとてもよかったです(語弊)。だから私はドMじゃないって言ってるのに!いやもしかしてドMなのか??

中の人の演技も素晴らしかったです。うまく言葉で説明できない、いや言葉にできないくらいすごくよかった。あの声の優美な空気感とか、お姉さん呼びとか、丁寧口調での言葉責めとか、うっかりヒロインに絆されちゃうところとか。あと最後に体を重ねるシーンが本当にえっちいです。リップ音も素敵で、なんか今までで聴いた中でも相当好みかも…。びっくりだ。

あのえろさはどこから来るんでしょ?? もしかすると言葉責めやSEに煽られたってのもあるかもしれないですね。高山さんの飄々とした態度・美人さ・ブラックさにいろいろマッチしてました。

あとBGMにクラシック持ってくるのがシュール! ジュトゥヴが大好きなんですけど、すごく似合ってました!

同人ってことでいわゆる淫語も前置きなく出てきますけど、これは全く嫌悪感がありませんでした。いや…、正直言ってとても効果的でした。無駄に連呼せず、セリフの中に普通に溶け込んでいたからかな。作風からして、包み隠さない直接卑猥な表現の方が合ってると思いますし。見目麗しい高山さんがいつものトーンを崩さず静かに言うってのもよかったのかもしれません。ストーリーがいいだけでなくエロさも申し分ないなんて。もう言うことないじゃん。。

やっぱり作品によりけりなんだな~と思います。これはあくまで個人的な考えですが、淫語系はいろいろ自由の効く同人作品でこそ使ってほしい気がしますね…

いや違うな。商業だからアウトなんじゃなくて、それをわざわざ売りにして無駄に連呼するのが嫌なんです。小学生男子じゃあるまいし。この作品のようにセリフの中にしれっと溶け込んでる分には全然いいですよ(笑) もちろんそれが似合う作風、主に変態系の話であることが大前提ですけど。

 

話が脱線しましたが、最後に思うところを自由に書いてみます。ただの乱文です。すごく余韻が残るエンドだったので書きたい…。聴いてない方にはワケわからないこと言って申し訳ないです^^;

あ、いろいろ言いつつこの作品、ジャンル的にはやっぱり喜劇かお伽噺だと思ってます。それもかなり奇妙でドエロな!

 

 


 

 

★この結末、考えてみれば蜘蛛の糸がたまたま切れませんでしたレベルの幸運ですよね。そうと思うとまた恐ろしい。だって代わりに135番さんが出荷されたわけですし。図らずもヒロインが他人を蹴落として糸に縋って生き延びたかのような構図。

(※あくまで結果論として。お姉さんは実際にはそんなことしないとても可愛い人です。お姉さん超萌エ…!)

でもこの無意識の蹴落としって、監獄モノの話でよく見る真理でもあって。とことん非現実的なのにこの作品妙にリアルと思ったのは、その辺の印象から来てるのかな。

★まあ何を言おうと牧場はこれまでどおりせっせと商品を生産しつづけていくわけです。高山さんたちにとってはこれが日常だし仕事だし人生だし。聴いてるこっちもそういうもんかと思わされてくる。じゃあもうヒロインも彼らと一緒に働くしかないじゃん。スタッフの一員になるしかないじゃん。むしろ活躍してくれそうだよきっと。

★良い悪いとかそんなのはどうでもよく、ただヒロイン的には高山さんに救われて幸せ、高山さんも愛すべき女性を見つけて幸せ…って話。それでいいのだ。うまく言えないけど、「他を置き去りにした二人だけの主観的な幸せ」っていえばいいのかな。生き地獄の渦中で皆が皆ハッピーにはなれるわけない。それが現実ってやつ。

でもこの二人が幸せなら本当にそれでいいんだ。十分なんだ。あああそんじゃもう何も言うことないじゃん? すべて二人のために用意された物語だったってことだね。世界の果てでどうぞ愛を育んでくださいってハナシなんだね。それならいっそ周囲が引くくらいらぶらぶなハートウォーミングカップルになってください。それがこの物語的に一番「正しい」結末だし、私もそれを切に望んでます。

★あと突拍子もないですが、ひょっとするとこういう牧場的システムがこの世のどこかに本当に存在してるんじゃないか…とも思わされました。(私だけか?) その辺も考えだすとまた止まりません。。ぞくり。

 

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