2020年1月の短評

最近感想ブログの体を成しておらず申し訳ないかぎり……呆れずにお付き合いくださる方は本当にありがとうございます。

さて今回は1月購入分のレビューです。2作ともたまたま私の好みに合わなかったためマイナス評価になってます。それでもよいという方のみお読みください。

 

 

 


 

アグレッシヴ!

レーベル:Chouette(カナリアレコード)
2020年1月24日発売

公式サイト

 

珍しく女性優位のシチュみたいだし、カラッと明るく笑える話だったらいいな~なんて期待して買ったんですけど、そういう話ではなかったですね。

毎日仕事や趣味で充実している。経済的にも余裕がある。自由な独り身が好きで、結婚願望や彼氏を作りたい欲はない。でも性欲だけは強いから、出会いを求めて夜の街に出るのが大好き——そんなヒロインがスタンディングバーでナンパしてきた男と意気投合して(というか『顔がすごく好みだったので』)ホテルへ直行し、いざベッドイン。…と思ったら相手の技術のマズさにあれこれダメ出しを始めて自ら主導権を握り、あげくの果てに男を改心させちゃうおはなしです。

…このヒロインがですね~、私はまったく感情移入できなかった。まあお相手の男性・市井さん(CVゆのまちさん)が、ヤリチンってほどでもないけど顔がよくてハイスペックで女慣れしていて自信家で、いわば挫折を知らないイケイケおにーさんという設定なので、その鼻をベッドの上でへし折っていく展開を痛快と思えるかどうかで評価は変わってくるんでしょうけども。

いや、コンセプト自体は嫌いじゃないんです。男性が翻弄されたり、女性側が積極的にリードするのはもともと好き。ただこの作品に関しては他にもっと書き方があったんじゃないかなと。

真面目に語るのもあれですけど、えっちってコミュニケーションじゃないですか。初めてする相手といきなり気持ちいいなんて奇跡じゃないですか。強弱とか感度とか人によって違うから、探り探り進めていくんじゃないですか。なのにこのヒロイン、相手のテクが足りないことに焦れてすぐ力技に出るんですよ。むりやり主導権握って、喘がせて、やり込めるんですよ。ほんと可愛げがない。鼻持ちならない。

たぶんこの作品、シチュCDの様式美=だいたいなんでもかんでも気持ちよくてハッピーエンド一直線(※私はこの様式美を愛してます)をあえて崩して、悲喜こもごものドタバタ劇として描きたかったんだろうなーって気がします。最初のイキ声にエコーかけるあたりとかね。。ヒロインの一連の行動もショック療法みたいなもんで、あれも笑うべきところだったんでしょうけど………でも全然笑えなかったよ。

個人的には女だろうと男だろうと、情け容赦なく相手をやり込めて平然としてるタイプの人間はいやです。スマートさのかけらもない。こんなのSでもなんでもない。男に流されない自立した女じゃなくて、単に他人への配慮や思いやりが欠けてるだけじゃないの。

笑えないってのは作品全体のテンポの問題もあったかもしれません。事後の会話とか妙にグズグズしてるんですよね……神妙というか未練がましいというか。ヒロインの態度もあまりにも冷たすぎるし。このあたりもっと軽やかな空気が流れていたとしたら、もっとギャグ寄りの演技が多かったとしたら、受ける印象もだいぶ違ったかも。

あとセリフがところどころフェミもどきって感じで、そういう一見 “女性に理解ある” っぽいセリフにはすごく冷めた気分にさせられました。このヒロインにそれ言う?って。

てか『〇吹きは気持ちよくないからやめて』なんてケチつけながら、ヒロイン自ら喉まで咥えこむとかAVプレイしてるじゃん。いやまあそれ自体は全然いいんだけど(SMならばむしろご褒美)、頼まれもしないのに唐突にだよ?開始1分でいきなりだよ? SEめちゃくちゃ激しくてギョッとしたわ。どんだけ頭振り乱してるんだ。あとわざわざ口でゴムつけてあげるとか…そのパフォーマンスいる??

とはいえ、蓋を開けてみればこの市井さんというキャラが案外チョロくて素直で人がよくて、おまけになかなかMっ気も強いようで、初回ヒロインに『あなたのセックスは10点』なんて真正面からdisられてもへこたれず二度三度と逢瀬を挑んでくる御仁ですので、、、当の本人がしっぽ振って喜んでるならそれでいっか。

あ、いや、違う。市井さんがいい人だからよけいモヤるんだ。性格最悪な男に意趣返しするパターンのほうがまだマシだった。なんか、彼が気の毒になってくるんですよ…。『かわいい』もこのヒロインの口から出るとバカにしてるようにしか聞こえないし。

極めつけはラスト。二度目の挑戦のあと、またもやヒロインに採点を求めて30点と告げられた市井さん:「それにしても君ってほんといい女だよね」→→ 私「はぁ???もうついていけねーや。

第一弾ってありますが、これシリーズ化するんでしょうかねぇ。

 


 

 

 

幼馴染との恋愛事情 結城和馬

レーベル:HOBiGIRLS fleur
2020年1月31日発売

公式サイト

 

なんでこれ買ったかというと、ディレクターがMasqueradeの黒抹茶さんだったからです。ただしシナリオライターはまだ作品数の少ない方のようで(mariage6のティトさんとかGOLDのTears of bouquetシリーズとか)、一種の賭けのつもりでポチってみたのですが…。

一言でいうと、山も谷もない話でした。小中学生のころ幼馴染だった和馬クン(CVほっきさん)と大人になって職場で再会し、両思いになりえっちして、ちょこっと障害はあるけど自己解決して、最後は祝ご婚約でおわり。生々しさやいやらしい成分が極めて薄い、とても爽やかでお伽話のような作風です。

こういうのが好き!って人ももちろんいるでしょうから、あくまで私個人の感覚ですが……聴いてる時のテンションをグラフにすると、ずっと低い数値のまま平行線って感じ。いま言ったとおり障害らしいポイントは一応出てきます。ヒロインに言い寄る男(※まるで存在感のないのっぺらぼう)に嫉妬する場面とか、異動が決まる場面とか。でもほとんど葛藤する間もなく解消するので心を揺さぶられる暇もない。ただただ口当たりのよい甘いお菓子のよう。

…あれ、なんだかさっき自分で書いたことが早速ブーメランですね。でもいくら私がハッピーエンド一直線を愛してるからって、ハピエンならなんでもいいわけではないですよ?(笑)  ベタでもテンプレでも、何かひとつでいいから記憶に残るような手ごたえがほしい。そのレーベルorライターさんならではのオリジナルな工夫を織り交ぜてほしい。だって神は細部に宿るのだから。細部こそが聴き手のリアルな感触につながり、感情移入の鍵になるのだから。

全体的に肉付けが足りない気がしますが、特にヒロインの造型がお人形さんみたいなのが物足りなかったです。お人形というか “お嫁さん” か。終盤、和馬さんが支社に戻されることになり、せっかく再会できたのにまた離ればなれになるという危機に直面するのですが、二人で落ち着いて話し合い、変わらぬ愛を確かめ合います。で、ひとまず遠恋を決意したのかなと思いきや、続くラストトラックでなんとヒロインは彼と新生活を始めているではありませんか。え、仕事やめてついてったってこと? それともヒロインも支社配属になったってこと? そんな虫のいい話があるのかい…??

まあヒロイン自身『お嫁さんになるのが夢だった』と言ってますし(ホビガ特典)、二人の選択にケチつける権利は私にはないですが、キャラやストーリー面以外にも『状況設定をひたすらストレートにセリフで説明する』『ヒロインの発言をオウム返しする』などなど、音声ドラマのご法度…というと言い過ぎだけど、個人的になるべく少ないと嬉しいな~と思ってる要素が序盤から惜しみなく出てくるのもがっかりでした。うーん、あまり洗練されてない。

あと、途中で急に「君」から「おまえ」呼びに変わるのもなんだかなあと思いました。和馬さん、表面上は決して俺様系ではなく物腰柔らかな青年だし、一人称は「僕」なだけに違和感があって。いやそういうところが彼の隠し持った荒々しさや独占欲を間接的に表してるのかもしれないけどさ…。

もう一点。最初のイチャイチャが始まった途端、いきなりキスが激しすぎるのも引っかかりました。ちょっ、、いくら我慢が効かないからって、もうちょい段階とかムードってもんがあるでしょーよー!!笑

……まあこれも単に私が「最初はおずおずと、徐々に深くなっていく繊細なキス/行為」が好みってだけの話かもしれないけどさ、うん。。もう黙ります。

 

 


 

 

以上、1月購入分のレビューでした。

次回は「最近聴いてよかった旧作」の短評をいくつか書く予定です! ではまた!