NoT Release

NoT Release

レーベル:Chouette(カナリアレコード)
CV:河村眞人・三重奏
シナリオ:雪華
イラスト:真嶋しま
2019年10月25日発売

公式サイト

 

自宅のリビングで対戦ゲームしながら会話する息子とその親友。キッチンで洗い物を済ませ、二人の元へと近づいていくヒロイン。冒頭シーンがそのままジャケ絵になってるわけですが、平和な日常風景や二人の表情の切り取られ方にぐっと来るのはもちろん、室内の小物などの描き込みもすごく細かくて、いつまで眺めていても飽きないイラストです。カナレコさんのジャケっていつもいいなあ。中身だけでなく外側からも楽しませてくれますね。

3年前に職場の上司である年の離れた男性と結婚したヒロインは、夫とその連れ子・努と三人で穏やかに暮らしています。努は現在ハタチの大学生。子供の頃からの親友・与(あたる)といつもつるんでいて、与もまたヒロインを母のように慕っています。

二人の目に映るヒロインは、料理上手で優しい理想的な母親。と同時に隙が多くて無防備な「女」でもある。歳がそう離れていない義母に努が家族以上の想いを密かに抱いていることを、与はよく知っています。

前々から思ってましたが、やはり年下or弟属性が似合いますね〜三重さんのお声は。純朴で気の優しい努のキャラにドンピシャで合ってます。なんて胸をくすぐられる。ケーキの場面の「そうだよな、母さん?」の言い方とか、与にからかわれてプンスカするのが可愛くて可愛くて…!

一方河村さん演じる与は、見た目はスマートな美人顔ですが、中身はわりとズケズケ図々しい性格です。朗らかで物怖じせず、人の懐に入るのが得意な小悪魔って感じ。時々腹黒さをのぞかせながら、ピュアな努をからかっては愉快そうに笑っています。

そんな与を息子同然に可愛がるヒロイン。両親が離婚騒動で揉めていることもあって早瀬家に入り浸る彼に、日常的に手作りのお菓子や夕飯を振る舞ったり、さりげなく気づかう言葉をかけたり。さらには家のことで辛ければいつでも逃げて来られるようにと合鍵まで(!)渡しています。

 


 

平和な光景はトラック1のみ。このあとの展開はシンプル。全4トラック中2トラック、計2回にわたる行為シーンが本作のメインです。ヒロインは(体はともかく心は)最後まで拒否ってるのでむりやり感がハンパなかったです。とはいえ愛情ありきのむりやりなので、怖いとか痛いの要素はありません。快楽で堕とすことが目的だから行為そのものは甘い。というかえろい。びっくりするくらいえろい。聴いてると頭のネジがぼろぼろ外れるほどの甘エロ地獄でしたな~~あははは。

努の恋心を日常的につついて刺激し、ヒロインを性的に意識するよう影からそそのかす。限界まで増幅させた劣情をここぞという瞬間に爆発させたら、その窮地を救う体を装い、すべてをかっさらって自分のものにする——それが1年の下準備を経て実行された与の計画です。こう書くとたいそうな知能犯みたいだけど、親友を騙し、その義母を寝取って動画で脅しつつ快楽漬けにするっていうゲスの塊みたいな行動です。ちなみに努の行為は未遂に終わり、与に厳しく責められた結果飛び出していってしまうので、以降はすべて与との行為シーンです。

で、このトラック2の場面。いきなりベッドに縛りつけちゃった努もすごいけど(与が間接的に誘導したに違いない)、そこへ口枷が加わり、身動きのとれない状況でがっつり快楽を刻み付けられます。最初ピンチを助けたと思ったら間髪入れず「なーんちゃって」で上書き開始するところでまずうおおやべええ…と慄いたんですけど、なんていうかな。踏み越え方がすごい。善悪とか常識の踏みにじり方がえげつないんですよ与くん。

あらゆる面から徹底的に羞恥を煽ってくる作品です。淫語&いやらしい擬音満載の言葉攻めに、耳舐め・囁き・吐息もたっぷり盛りだくさん。水音や衣擦れのSEはめちゃくちゃ細やか。マイク位置も音質もパーフェクト。なんかもう聴きごたえがありすぎて、濡れ場×2ラウンドがそれぞれ倍くらいの尺に感じました。は~~~なにこの熱量。耳があっつい。。

パワーワード連発なのですが、単語のチョイスが身も蓋もなくて、でもこのお上品じゃないところが逆にリアリティあるんですよね……脳みそチ○○でできてる感じが年相応の男の子だなっt(すみませんごめんなさい)

それにしても河村さん、すごいノッてましたね~。あのドライブ感。毎度すごいけど今回もとんでもなかった。圧倒されました。とろんとした濃ゆい囁きの連続には耳が焼けるかと思ったし、大量のリップ音も、キスの合間の掠れた「ん…」も、連続でイかされたヒロインの反応を味わっている声も、その直後に畳みかけてダメ押しするドSっぷりも完璧で、はああぁ………(深いため息)。。いろいろはっきり書けない内容ゆえもどかしいですが、ともかく打ちのめされてぼーっとしながら無限リピしております。口から魂半分抜けてます。

ボイスとシナリオの相乗効果で濡れ場のクオリティが異常に素晴らしいんですよねぇ。2回目(翌日)のシーンなんてもっとやばやばでした。バックから押さえつけて以降が特に。一つ一つの攻め、焦らし、煽りがねちっこいことこの上ない。えっち中に「いじめられる」ってこういうことかと感激しましたよ。ヒロインはそれどころじゃないですが。。耳攻めも吐息感もMAX(ほんとどーしちゃったのこの大量投下!)だし、お尻がどうのとかのセリフも卑猥すぎて……すごい。えろい。なんかもうえろいとすごいしか出て来ないです。これはどう頑張っても抗えない。

2回目のシーンには核心となる発言もいくつか出てきます。帯にもあった「誰でもよかったなんて、そんなわけないじゃないか」とかもう大好き。「あなたが人妻だなんて最初からわかってることじゃないか。だから俺は奪うんだよ」もいいセリフ。あの流れのなか、あのブラックな美声で注ぎ込まれるからたまらないんですようぅ。

直接は登場しませんがヒロインの夫が「余裕のあるダンディなおじさま」として描かれているのも印象的でした。与すら一目置く存在の “トシキさん”。普通こういうNTRって、夫のことを悪く描けば寝取りの格好の理由になりそうなものだけど、その種の都合のよい設定がないのが逆に面白いなと。

でも! 俺はもっともっといい男になる。あなたに好きになってもらえるように、死ぬまで頑張るから!

だから、俺を見て。お願い

とは夫への対抗心に燃える与のセリフ。いや~~~このセリフもほんっと好きです。ここでそれ言う!?ってぶったまげましたよね。おかしい。ヒロインの体だけでなく心も欲しいというものすごく切実な訴えなのに、発言と行動が乖離していて滑稽。このなりふりかまわない情熱に、ああ与くん好きだな憎めないな絆されちゃうなと思ってしまいました。なんか人間くさい。ヤンデレのテンプレではなく、ナイフで切ったらちゃんと血が出そうな実在感がある。さすがヒロインに恋焦がれすぎて頭おかしい男(※100%賛美)を書かせたら天下一です雪華せんせい…!

ラスト、「気持ちなんて後からどうにでもなる」「この世に正しい始まり方なんてない」と言い切るところに彼の本質が最もよく表われていると思いました。すでに散々犯したあと、最後の最後でこのセリフが出てくるのもすごいんですけどね。妙に説得力がありましたよね(←だいぶ洗脳されてる)

自分の両親が反面教師なのか、「気持ち」や「純愛」なんて不確実なものよりも、まず肉体で雁字搦めにしなければ気が済まない。一度引きずり込んだら絶対に離さない。こうと決めたら一直線の、歪んだ方向に一途な快楽主義者。それが与というキャラクターでしょうか。…いや、ヒロインの「気持ち」は得られないと心のどこかで思い込んでいるからこそ、泥臭いほどセックスに執着するのかな。

あ。一刻も早く孕ませたがるってのも雪華さんのキャラらしいなと思いました。責任とりたくてたまらない男たちの系譜。ていうかデイトレでひと財産作ったってまじすか(笑)

 


 

特典は、本編にはなかった3Pを見たい人はステラ、与との関係の結末を見届けたい人はメイトがよいかと思います。時系列的にはステラ→メイトの順です。

 

ステラワース特典「三人での関係」22:52

本編から半年後。二人の関係をとうとう知ってしまった努に対し、例の動画をばら撒くと脅しつつ、ヒロインを守るため今この場で抱くよう命じる与。あの日以降もいまだ消えない劣情を見透かして、努を共犯関係に誘い込みます。

キャストトークで三重さんも言及していた拍手ぱちぱち登場シーン。ほんと唖然というか、ゲスを通り越して狂気の沙汰って感じですねえ…ゾクゾク。こんな状況でも子供みたいにはしゃいでます与くん。童貞の努にあれこれ指南する口調はゲームのチュートリアルか!?ってくらい奇妙なものだし。本編でもうっすら思いましたが、緊迫した場面でわざと道化を演じたり偽悪的に振る舞ったりして相手のペースを乱すのが彼の癖なんですかね~。傍から聴いてる分には鳥肌立つほど楽しいけども。

3Pはまさかの二輪挿し。ヒロインが従順なのはとっくに快楽堕ちしちゃってるからでしょうか。。

独占欲がおそろしく強そうな与がなんでわざわざ共犯=共有を提案したのか不思議な気もしますが、口では「彼女を手に入れるためなら何でもする」と言いながらも、親友を裏切ったことに対する後ろめたさみたいなものも多少はあったのかもしれないなと思います。彼なりの罪滅ぼしっていうか…?? これのどこが罪滅ぼしなんだと聞かれると困っちゃうんですけど。※自分でも何言ってるのかわかりません。

どっちにしろ可哀想なのは努です。事後、「そうやって俺の気持ちを軽くしようとするな」と虚ろにつぶやく場面に何とも言えない気持ちになりました。与と違ってピュアで真面目で流されやすく、自らの過ちにもじゅうぶん自覚的な彼が、こんな残酷な泥沼に耐えられるかどうか……。この後努はどうなったんでしょうね?

 

アニメイト特典「NoT Release」25:46

…はい。私がこの記事で一番言いたいことは、今すぐ! 在庫のあるうちに! ぜひメイト特典をゲットしてください!!!ってことです。いやステラさんももちろんよいのですが。あくまで個人的なおすすめです。というかメイトはおまとめにしたから届くのはまだ先の予定だったんですが、居ても立ってもいられず発売日翌日に店舗まで買いに走っちゃいました。こんなこと初めてだ。その甲斐は十二分にありました。

夫と離婚して突然行方をくらましたヒロイン。それから2年後、縁もゆかりもない遠方の地で慎ましく生活していた彼女の元へ、ついに居場所を突き止めた与が訪ねてきます。

ヒロインの失踪は、体を重ね続けることで双方の「気持ち」に変化の兆しが見えた矢先の出来事でした。ヒロインとの未来に淡い期待を抱いた瞬間、いきなりどん底に突き落とされた与。以後2年間、文字どおり地の果てまで追いかける執念で消えた彼女の影を亡霊のように探し続けてきたのでした。いまや病み病みのヤンデレと化しています。

強引にドアを開けさせ、再会の喜びをかみしめたのも束の間、ヒロインがこのアパートで一人暮らしではないことを知った彼は、嫉妬に狂ってむりやり行為に及びます。

昔のように体を溶かされても無言を貫くヒロインに、

ほら、嫌いでも、憎いでも、罵ればいいじゃないか!!!

とわめく場面がもはや痛々しくて哀しい…。せっかく再会できてもこんなふうに独りよがりな愛情を押し付けるしかないのか。この特典もやっぱり一方通行で終わっちゃうのか。

と(すっかり感情移入して)絶望しかけていたら、、、いやあびっくりしましたね。

事後なんであと5分も残ってるんだろう?これから何が起こるんだろう?と動揺した私はバッドエンドを予想したんですよ。ほらカナレコさんって心中したりグサッと刺したり亡き者にされたりが定番でしょう。今回もてっきりそれ系が来るかと思って怯えていたんですけど(笑)

これは…すごい。すごいとしか言葉が出ないです。ヒロイン、全部一人で背負ったのか……。好きになってしまった男の将来を邪魔しないために。動画をばら撒かれる可能性も覚悟のうえ、家族を捨ててまで、その選択をしたなんて。たった一人で。うわあ……ちょっともう泣きそう。。。

こんな結末を見られるとは思いもしなかったので嬉しいです。拗ねた子供みたいな顔でしぶしぶ隣室に移動する与。目の前の光景にショックを受け、宥められ、じっと見つめて、ちょっと怒られ、頭に疑問符を浮かべて…。そしてハッと気づいた瞬間のリアクションが、あああ…!! 特典タイトルが本タイトルと一緒なのも納得でした。も う 二 度 と 離 さ な い。うわーーーん……!!!涙

あ。元夫がどこまで知っているのかも気になりますねえ。もしやすべて打ち明けられたうえで赦してたりして。

 

 


 

 

 

…はあ。だめだーー。いまいちピントの合わない感想ですみません。ここ数日寝ても覚めてもこればかり聴いちゃって、強烈なお酒を飲んだみたいに頭がふわふわ故障してるんですが、いざ語ろうとすると全然あかん…どんな言葉もしっくり来ない。すごい作品だから一刻も早く語りたかったけど、私の語彙力ではこれが限界です。くやしい。情けない。

シナリオがいいのはもちろん、河村さんのお声だから、こんなに、こんなにも刺さるのに…!!

…と、最後まで語彙のなさを晒しつつ今回の感想を終わります。お読みいただき誠にありがとうございましたm(__)m