Rouge et Noir VR Edition 麻薬取締官 真壁亮

Rouge et Noir VR Edition 麻薬取締官 真壁亮

レーベル: 花鏡
CV: 河村眞人
脚本・監修: 御門蓮
イラスト: さばるどろ
2019年7月31日発売

プロローグCD収録時間:約54分

公式サイト

 

VRが本編とあるけど、なんならプロローグCDが本編でVRが特典みたいなものだと思いました。尺もそうだし、内容面の満足度にもそのくらい差がありました。

VRコンテンツの制作がどれだけ大変か想像すらできませんが、前例のないチャレンジングな企画だということはもちろん理解しています。ましてや花鏡さんはそれ専門の企業でもゲーム会社でもないし、VR市場が成熟しきっていない中でこのようなアイディアを実現させたこと自体、純粋にすごいことに違いありません。

ただ…そもそもシチュエーションCDとして既に完成されたルジュノワシリーズにVRは本当に必要なのか?と考えると、私はそうでもないんじゃないかと思います。

プロローグCD単体について言うと、最初から最後までしっかりと大人の雰囲気が溢れまくっていて大満足な内容でした。初っ端から濃ゆい耳舐めしてくる全年齢は初めて(笑) 。。つまり本番カットしただけの通常運転でした。いや決してイチャイチャだけがよかったわけじゃなく、後半の捜査パートも面白くて終始ドキドキさせられっぱなしでした。全年齢であろうと18推であろうとルジュノワはルジュノワのまま、真壁さんは真壁さんのままで、こうして続編を重ねても今まで培ってきた世界観やキャラクターにまったくブレがないのが素晴らしいと思いました。いやほんと最高でしたよプロローグ…

捜査パートなんて本当に真壁さんと一緒に潜入捜査してるみたいなんですよね。音だけでもちゃんと各シーンが眼に浮かぶし、実際に経験してるみたい。ルジュノワシリーズ全体に言えることですが、複雑な場面であっても声やSEだけでちゃんと光景が眼に浮かぶのです。音だけでこれほどクオリティの高いドラマを創造できるレーベルは花鏡さんだけだと思っています。このリアリティは決して視覚情報に劣らないんじゃないかなあ。ある意味VRよりもこっちの方が臨場感あるのでは。

肝心のVRは、セリフやシチュエーションそのものは素敵でしたが3DCGのクオリティが気になってしまい(ちょっとPS2時代のポリゴンを思い出した)、あまり集中することができませんでした。ぎこちない体の動きや歩き方に加え、もっとも違和感があったのは手です。手という超大事なパーツがもう少しリアルに繊細に描かれていれば嬉しかったのにな…。背景もせっかくの360°視野なのに特に見るべきものがなかったし。壁ドン・抱きしめ・キスはびみょーな気持ちになりました。ただ、よしよしされるのはなんかよかったな(笑)

VRは段ボール製のゴーグルを組み立ててスマホをセットして専用のアプリで見る仕様でした。いわゆるモバイルVRの中でも一番安価な部類。現時点ではなかなか手の届きにくいVRをあくまで手軽にライトに楽しむための入門的なサービスみたいですね。

ゴーグルにスマホをセットした図その1(正面)

その2(上から)

その3(裏側。二眼です)

ついでに商品全体(+イベント応募はがきも)

 

私自身は日頃VRコンテンツになじみが薄く(ずっとPSVRがほしいけれど次世代機を待ってる…)、このモバイルVRも今回初めて利用したのですが、まずコンテンツのダウンロードにかなり時間がかかりました。通信環境や時間帯のせいなのか何時間かけても完了せず、しかもうっかり画面に触れてしまうとDLがキャンセルされ一からやり直しに(泣)。その間スマホを使った作業は何もできず、再生にたどり着くまでのストレスが地味に大きかったです。動画は通常版と高画質版の両方を試してみたら後者の方がくっきりきれいに見えましたが、高画質DLは更にいっそう時間を要するという^^; 端末への負荷も大きそうで少し心配でした。

尺50分超のプロローグCDに対してVRは14分。場所は残業中のオフィス。室内には誰もおらず珍しく二人きりの状況。窓の外に広がる霞朝の夜景を眺めながら、昨晩から今日にかけての出来事(←これがプロローグの内容)を振り返る真壁さん。ふいに接近され、あれこれ甘い言葉を囁かれて抱きしめられて…という至ってシンプルなシチュ。捜査やアクションといった複雑なシーンは時間的にも映像技術的にも難しいだろうし、表現できることは限られています。

でもこれって映像いります? それこそシチュCDでやればいいのでは。私はこの場面も音声で楽しみたかったなぁ。声のみだからこそ、聴覚のみだからこそ、いっそうドキドキが掻き立てられるというのに。耳だけを頼りにユーザー各々が好きに妄想加えながらシチュエーションにどっぷり浸ることができるのが音声作品の長所だし、何より耳からでないと得られない官能ってもんが本当にある!と私は信じてますぜ(笑)

限りなく私見ですが、18推シチュCDがここまで人気が出たのはエエ声に癒されるとか大人の女性の隠れたニーズに合致したからというのはもちろん、手が届きやすいこと・シンプルであることも大きかったのではないかと思います。再生機器さえあれば誰でも手軽に楽しめて、ゲームなど他の乙女向けコンテンツに比べてリーズナブルであり、また目を酷使することも煩雑な操作も過度の集中力も必要なくただ耳を傾けるだけでいい(なんなら家事しながらでも通勤中でも聴ける)というシンプルさ。このような手軽さ、敷居の低さこそがシチュCDのいいところであり強みであったと思うのです。

それに対して今回のVRは、まずスマホの機種によって入手の可否が左右されてしまうし、対応機種であっても冒険するには躊躇してしまう価格帯であり、さらに人によって目がすぐ疲れるとか向き不向きもあるはずです。そんなこんなで買いたいのに買えない人が出てくる。従来のシチュCDに比べて明らかに間口が狭いです。

そしていつまで使えるかわからないアプリとゴーグル…。大好きな声の作品はできる限り永く手元に置いて楽しみたいと思うのは私だけでしょーか。そりゃ光ディスクがいつまで流通するか、今の音楽ファイル形式がいつまで利用可能かも不確かですけど、少なくともあと10年くらいは保つんじゃないかな。保ってほしいです(希望的観測)

…まあこんな考えは化石並みに古くさいものだろうという自覚はあります。作る側の苦労も知らずただ買って楽しむだけの素人ユーザーがぐだぐだ好き勝手なことを書きましたが、今後モバイルVRのグラフィックや性能がもっともっと本格的なものに進化したら、自分もそれに圧倒されて今の考えをあっさり改めることになるかもしれませぬ。

こうやって文字にするとなんだか妙に深刻ですが、別に本気で批判するつもりで書いたんじゃないですよσ(^_^;) 購入したことは少しも後悔していませんし、今後来栖さんや他のキャラクターのVRが出るとしたらやっぱり買っちゃうだろうと思います。なんかこういうコンテンツって巻を増すごとに洗練されていきそうな気もするし。

 

 

………ではでは最後にプロローグCDの感想を語ってもいいですかね??? いや元々こっちが本題のつもりで書き始めたんですよ、なんでこんなに前置き長くなっちゃったかな(ブツブツ

えーと、こちらは開始早々河村さんのかっこよさと色気が大爆発するCDということでよろしいですかね。全会一致でよろしいですねハイ。

簡単にあらすじを説明しますと、

●とある麻薬常習者をバディの連携プレーで逮捕+タイトルコール、というおなじみのオープニング。

●明日は珍しく二人そろってオフの日。早々に報告を切り上げ港湾厚生局を後にして真壁さん宅へ直行。

●キッチンで戯れたりソファでくつろいだりベッドでイチャイチャしたり、恋人同士の時間を満喫。

●翌朝まだベッドから出ないうちに周防課長から呼び出しの電話(お約束)。休日返上で急遽捜査に駆り出される。

●昨日逮捕した男が吐いた情報をもとに、密売人の尻尾を掴もうとクラブに潜入する二人。現場観察や集めた証言を手がかりに少しずつターゲットが絞り込まれていく。

●密売人を現行犯逮捕して一件落着!…と思いきや周防課長からの指令で残業のフルコースが確定。とうとう舌打ちする真壁さん。報告書作成のため二人は深夜までオフィスに残ることに…(→VR本編につづく)

 

ん〜まず前半のオフモードの見どころはどこかなあ。隅から隅までよかったなあ。言うなれば添い寝ぜんぶのような普通のカップルっぽいシチュの連続に「ああようやくCV河村さんの添い寝が聴けた…!」と感激の極みでございました(レーベル違う)

個人的に印象深かったところを挙げるならば。

トラック3【Eight in the Evening】は帰宅後にキッチンで料理中、後ろから抱きしめられて味見されちゃったりします。その味見というのがいきなり濃ゆい囁き&耳キスでアワワワワちょっと待って心の準備が〜〜って感じだったんですけど(ぺちっ!あいてっ!で中断するのもすごい好き)、それはそれとして、味見の直前に真壁さんがお酒飲みながら無言でヒロインを観察するシーンが入ります。

あれがなんか… 沈黙のなか喉を鳴らしてぐびぐび飲む音だけがたっぷり1分くらい響き渡って… 妙にえろかった、んです、けど…。。そもそも河村さんの飲んだり食べたりする演技が大好きなもんでこりゃ一体なんのご褒美だと錯乱しかけました。なんなら一番ドキッとしたかもしれませぬ。

飲むシーンが好例ですが、前半パートは全体的にただ喋り続けてストーリーを展開させるのではなく、沈黙などの要素も含め物語の空間・時間が丸ごと大事に表現されていました。セリフとセリフの間がたっぷりと取られていたり、息の気配やSEだけがしばらく響いたり。その静けさが没入感をいっそう高めてくれているように感じました。

あとはトラック4【After Dinner】、夕食後にシャワーを済ませソファ(かな?)に並んで座って会話する場面。ここの声のトーンがまた印象的でした。通常よりも抑えめで穏やかで、まるで本当に間近でくつろいでいるみたいで。ああリラックスしてるんだな、夜の親密な空気が流れているなとこの声の温度からたしかに伝わってきます。こういう細やかさを感じ取るたびにだから河村さん大好きなんだって心から思うのです。…はぁいかん今日も発言が変態じみてーら。。

他にもヒロインの髪を拭いてくれるところとか、耳元で「懐かしいだろ、新入り」だとか(ぎゃーーー)、くすぐったりじゃれ合ったりしてるうちにふと真面目になる鉄板の流れとか…。ってああああ気づいたらめちゃめちゃディープなキスしてるんですけどおおお。朝チュンが朝チュンとは思えない奇跡のクオリティなんですけどおおおおお(落ち着け)

そうだもう一点。トラック5【Morning Call】、朝ベッドの中で目覚めての「ああ、おはよう」の言い方がなんだか無性に真壁さんらしいなと思いました。いい。これすごくいい。うまく表現できないけどいかにも真壁さんらしい「おはよう」なのです。あんた真壁さんの何を知ってるんだって感じですが。。

ちなみにこのトラックは個人的に大好物の寝起きシチュではあるんですけども、真壁さんは寝ぼけたりしないしむにゃむにゃ言わないし、残念ながらすぐ電話に邪魔されます(笑)。休日返上が決定しいかにも苦々しそうな様子。でもスッと仕事モードに切り替えて出発します。

そんなわけで周防課長のモーニングコールをきっかけに物語は後半の捜査パートへ。今回のお話にはルージュエノワール系のドラッグはまったく関係しません。そっち関連のハードな捜査と違ってわりとイージーモードのミッションなので、真壁さんも余裕たっぷり。裏カジノ潜入時みたいな緊迫感は無論なく、むしろこっちのほうが日常風景なんだよなと思ったり。

にしてもこのスマートさと安心感よ…。UTG/SBの頃から変わらない “頼れるクールな先輩感” がたまりません。トラック6【Gravity】の、クラブで二手に分かれて無線越しに作戦を確認する場面なんて特にかっこいいです。仕事モードの声ではあるけれどすでにホシは三流以下の売人と予想がついているせいか、だいぶ肩の力の抜けた調子でヒロインにいろいろ指示してくるんですよね。手慣れてるな〜。

言われたとおりヒロインがきわどい名前のカクテルを注文したら、無線越しの真壁さんが喉でククッと軽く笑って「上出来だ」と褒めてくれるシーンがあります。細かいポイントですがこのさりげない笑い方も非常にときめきました。嫌味のないあっさりした笑いというか。いいなあこれ、いかにも真壁さんらしくて…。いやあんた真壁さんの何を知ってるんだって感じd(2回目)

あとヒロインがちょっと不安な顔をした時に「自信持て」「大丈夫だ」と励ましてくれるのもいいですねえ。真壁さんに言われると不思議と大丈夫な気がしてきます。

ていうか河村さん、真壁さんを演じるときめちゃくちゃ真壁さんですよね〜〜。他の河村さんキャラでこういう独特なトーンとテンポで喋る人思い当たらないです…って当たり前か。でも真壁さんが真壁さんすぎて、どの媒体で会ってもそれは変わらなくて(サブカレの時も然り)、もうその事実だけでなんだかポカーンとしてしまいます。

捜査パートの展開については詳しく書きませんが、犯人に迫っていくプロセスそのものの面白さはもちろん、バーでしつこく絡まれかけたところを助けてくれたり、慣れないダンスをフォローしてくれたり、犯人に接近するため狭いスペースで密着したりと随所においしいシーンが挟まれていました。そのどれもがわざとらしくなく自然な流れでうまいなあと唸らされっぱなし。これこそある意味大人向けだと思ったりもしました。

前半の恋人同士の時間も後半の捜査パートも、真壁さんがとにかくかっこよくて惚れ惚れする一枚でした。ちょっとしたセリフや、セリフ未満の笑い方や息づかいにも「相棒」への信頼感と愛情みたいなものがにじみ出ていて、上司としても恋人としてもほんっっと素敵で頼りになるなあと改めて感じ入った次第です。

あ。そういやこの二人、捜査中どんな変装していたのかが気になりました。20代向けのクラブでスーツは悪目立ちするから若者っぽいラフな服をその辺で調達してきたらしいのですが…フム…真壁さんの “浮かれた服装” とはいかに(笑)